たい焼きのルーツは?バラエティーに富んだたい焼きも紹介

和菓子辞典

たい焼き発祥の由来は?

「たい焼き」を最初に作って販売したのが、明治42年 浪花家総本店の初代店主 神戸清次郎だと言われています。
神戸の実家から東京に出てきて生活費を稼ぐため東京の九段下に今川焼屋を開こうとするも、当時どこにでもあった今川焼屋では儲からないと考え、最初に考案したのが「亀焼き」だったそう。
しかしなかなか売れず、庶民があこがれの「鯛」に形にして1個1銭という破格の値段で売り出したところこれがヒット。(以上2019年1月14日NHK放送の「チコちゃんに叱られる!」より)
たい焼きはもともと今川焼から発想を飛ばした商品だったのですね。
神戸清次郎のお店は現在、東京 麻布十番の「浪花家総本店」として営業を続けています。

「たい焼き」の作り方にも変化の歴史が

当初、たい焼きの生地には小麦粉でなくてうどん粉が使用されていたとのこと。
当時は国産の小麦粉といえば「うどん粉(中力粉)」でした。

明治時代はアメリカから輸入された小麦粉のことをメリケン粉(現在の小麦粉で薄力粉)と呼び、国産の粉とは区別していたようです。
明治44年の読売新聞に「…うどん粉をこねて鯛型に流し込み餡を包みて…」という記事が存在しています。
現在は、小麦粉・砂糖・重曹・卵で作った生地を鯛の焼き型に流し、小豆餡を載せ、もう片方の焼き型には生地だけを流し込んで最後に合わせて焼くというのがオーソドックスなたい焼きですが、たい焼きにこだわりのある人は焼き方で区別しています。
一匹ずつ焼き上げるのが「一丁焼き」「一本焼き」「天然物」と呼び、鉄板で一気に複数を焼き上げるのが「養殖物」「連式」などと呼ぶのだそうです。
皮の焼き上がりの感じなどが微妙に違うのだそうですよ。

海外で進化を遂げている「たい焼き」

最近アメリカでたい焼きブームがあったのだそう。
日本のアニメ「Kanon」がきっかけでアメリカから日本の厨房道具販売店にたい焼き調理の器具に対する問い合わせが増えたらしいのです。(2016年放送NHK「所さん!大変ですよ」から)
ただ、中身は小豆餡ではなく、アメリカ人が喜びそうなベーコンやチーズを入れたものが販売されているとのこと。
日本人のおやつ感覚でなく、食事として食べられているようです。
また、メキシコ南部のレオンでたい焼き屋(「たい焼き零」)をオープンしている方もいます。
こちらでは粒あん・クリーム・サツマイモ・チョコレート・お好み焼きの餡で提供しています。
全種類の味を冷凍のセット販売で500円での販売もしています。
日本では見かけない「お好み焼き」のたい焼きはどんな味がするのでしょう。
味わってみたいものです。

現在こんな「たい焼き」も登場

従来のあの小麦色のたい焼きとは違う「白いたい焼き」も登場。
生地を作るときに入れる卵の卵黄がメイラード反応で小麦色に変化させることから、卵黄を入れず卵白のみを生地に入れると白い生地のたい焼きが出来るのだとか。
さらに、小麦粉だけでは出なかったモチモチした食感が「タピオカ粉」や「コメ粉」を加えることで、冷めても硬くならないたい焼きも登場しました。
また、人気店「銀のあん」の「クロワッサンたい焼き」は従来の和菓子と違うバターを加えたサクッとしたパイ生地のような食感が楽しめる和洋折衷型のたい焼きです。
元祖のたい焼きの良さも堪能しつつ、こんな変わり種の登場には注目したところです。

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