人形焼きの名前の由来は?発祥の歴史から老舗店までご紹介

和菓子辞典

「人形焼」の名前はどこから?

「人形焼」といえば現在は浅草土産の代表のようになっていますが、実は東京都中央区日本橋人形町が発祥の地とされています。
つまり、人形町で売られ始めたことから「人形焼」という名前が付いたようです。
そのその人形町というのは江戸時代から浄瑠璃など人形の芝居が盛んな場所で、人形を操る人や人形を作る職人さんが多くそこから付いた地名なのだそう。
人形の芝居を見に来たお客さんたちに喜んでいただくために作った人形や七福神の形の商品がいつしか人形焼と呼ばれるようになったようです。
七福神の形も最初は全身像でしたが、後に顔だけの人形焼になっていきました。
しかし、この人形焼の名称や形も時代が垣間見えるような変遷がありました。

時代とともに変わっていった人形焼

人形町を拠点に広がっていった人形焼ですが、大正時代に入ると人形焼の職人たちが浅草の方に移り住み、浅草を中心に人形焼きが展開することになるのです。
浅草の「雷門」や「五重塔」「ハト」といった名所・名物をかたどった人形焼の誕生です。
この頃人形焼は「名所焼」として販売されていたそうです。
さらに戦時中は砂糖の入手が困難となり、餡を入れないカステラ生地だけの人形焼も販売されていました。
戦時中ということもあって戦車や大砲をかたどった人形焼で「戦時焼」という名称で販売されていたのだそう。
現在でもその名残であえて餡なしの人形焼も販売されていたりします。

人形焼の材料によるバリエーション

製造元による違いはありますが、主な原料は小麦粉、砂糖、卵で作るカステラ生地の中に餡を入れたものになります。
一見すると今川焼と似ていますが人形焼はサイズ的にも小さく様々なパターンでかたどられている点に違いがあります。
さらに、最近は小豆の餡のみでなく、抹茶餡、カスタードクリーム、さくら餡、更にはベビーカステラのように餡が入っていないものもあります。
今や人形焼のモチーフも七福神など伝統的なものから、ハローキティやガンダムなどアニメのキャラクターをかたどったものまで様々。
催し物や名所にちなんだモチーフで観光客が手軽に口に出来る点が人気のポイントのようです。

人形焼で有名な老舗は?

人形焼といえばチェックしたいのが人形焼発祥の地である人形町の明治40年創業の老舗「板倉屋」。
発祥の地であるにもかかわらず現在人形町では板倉屋を含めて人形焼専門店は「重盛永信堂(大正6年創業)」・「亀井堂(昭和4年創業)」の3軒しかないようです。
板倉屋の人形焼の特徴といえば昔ながらの無添加の手作り製法にこだわった「七福神」です。
カステラ生地は薄めでしっとり、蜂蜜による甘味が。
中にはこし餡がぎっしり入っており、甘さ控えめで食べやすいのです。
餡入りは1個90円、餡なしの戦時焼(戦車・鉄砲・旭日旗など9種類)は1個30円で人気商品のよう。
板倉屋のツイッターには「只今売り切れました…」のような情報がタイムリーに更新されています。
一度昔の味を堪能してみては?

コメント

タイトルとURLをコピーしました