地域ごとにいくつもの名前を持つ今川焼の由来は?

和菓子辞典

「今川焼」の発祥の地はどこ?

今川焼の名前の由来は江戸時代中期、神田の今川橋付近の店で桶狭間の戦いにおいて今川義元を討ち取ったことと絡めて、店頭で焼きながら「たちまち焼ける今川焼」という宣伝文句で広がりを見せたと言われています。
この周辺の地域は「今川」つながりのモノが多く、「今川橋交差点」や「今川中学」など今川にちなんだ名前が多いようです。


もう一つの名前の由来となった説が駿河国(現在の静岡県中部)をおさめていた戦国大名である今川氏の家紋である「二つ引両(引両紋)」が由来ではないか、という考えもあるようです。
いずれにしても今川氏が名前の由来に関係が深そうです。

「今川焼」の名前は地域ごとに違う名前を持っていた

実は今川焼には地域ごとに呼ばれ方がいくつもあります。
今川焼が名前発祥の地である関東での呼ばれ方であるのに対し、「大判焼き」は愛媛県の松山丸三がこの呼び名で販売したことをきっかけに広がったため、東海・四国・中国地方ではこの名前がメジャーです。


今川焼より大きかったことから付いた名前、今川焼のような円でなく小判のような楕円形であったことから付いた名前など諸説あります。
さらに、「回転焼き」は近畿地方、九州地方の一部で使われている名前で、円形の焼き型を回転しながら焼いた製法が由来であるとされています。
他にも広島県の「二重焼き」、北海道や東北地方の一部では「おやき」、西日本各地では太鼓に似ていることから「太鼓饅頭」「太閤焼き」などと言われているようです。

実は韓国・台湾でもブームな今川焼

生粋の日本のスイーツが海外でも話題を呼んでいます。
まずはお隣の国韓国。
仁川のチャイナタウンでは「紅豆餅」という中国語表記、「ホンドゥビョン」というハングル表記と並んで「IMAGAWAYAKI」という日本で見慣れたネーミングを目にします。
店頭で焼いているのはまさしくあの見慣れた今川焼。


餡子・クリームチーズ・マンゴー・ダークチョコのメニューがあり1個220円ほどで販売しています。
また、台湾でも今川焼が話題に。
台湾でも日本のように呼び名が色々あるらしく、「紅豆餅」「車輪餅」など様々。
インスタグラムでは「紅豆餅」という呼び方が多いようです。

今や冷凍食品でも楽しめる今川焼

今や日本中コンビニでも手軽に手に入る今川焼。
例えば冷凍食品のニチレイから出ている今川焼も1994年の販売開始以来こだわりを持って作られています。
開発担当者のお話によると、今川焼の時代に流されない味をキープしつつ、餡に関しては2~3年ごとにバージョンアップしているのだとか。
程よい小豆餡の粒感を残し、小豆の風味が残る餡子を求めて評判の今川焼店の餡子を徹底的に数値化して極めているのだそう。


冷食の今川焼を美味しく食べる方法は電子レンジで蒸した後オーブントースターで香ばしく焼いて水分を飛ばすことで生地が引き締まり餡子の風味が引き立つそうです。
小腹が満たせて飽きの来ない美味しさで人気の今川焼。
日本各地の味を食べ比べてみたくなりますね。

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