寒中にさらして作る「白玉」の歴史や名店を紹介!

和菓子辞典

もち米で手間暇かけて作った白玉粉

白玉が食べたいと思う時、白玉粉を買うと思いますが、白玉粉が何からできて、どのように作られているかを知っている人は少ないと思います。白玉粉は基本的にはもち粉から作られます。まず、もち粉を水で洗った後、水に浸します。次に、水切りし、熱を起こさせないために、水を加えながら挽いていきます。この段階で、もち米は細かい粒子になっているのですが、それをさらにろ過します。その後、沈殿したものを乾かしたものが白玉粉です。白玉特有のあのつるんとした触感は、この手間暇かかる作業を経たおかげで生まれます。その昔はこの作業は冬に行われるものでした。そのため、白玉粉は寒晒粉(かんざらしこ)とも言われます。

白玉の歴史、意外と昔からあるお菓子です。

白玉粉は鎌倉時代、もしくは、室町時代に中国から来た禅宗の僧によって日本に伝来したと言われていますが、戦国時代に戦で水に浸ってしまったもち米を腐らせないために処置した方法であったとも言われています。どちらにしろ、江戸時代になる前には日本にありました。今でこそ、白玉は一般家庭でも食べられる和菓子になっていますが、その昔は白玉に限らず、甘いものは高級品でした。そのため、今のように一般の人が白玉を甘味として楽しめるようになったのは、砂糖が庶民の生活に行きわたるようになった江戸時代中期以降のことです。歌川国芳の浮世絵に「名酒揃 志ら玉」という作品があるのですが、描かれている女性の表情がとても素晴らしいので、機会があればぜひ一度ご覧になられてみていただけたらと思います。

簡単!美味しい白玉の作り方。

水の量はきちんと計測します。それから、白玉粉に水を加えるのですが、最初に加えるのは加える水の3分の2くらいにしてよくもみこみ、残りの水は少し加えてはよくもみこむを繰り返します。目指す固さは耳たぶくらい、固すぎず緩すぎずを目指します。その後、白玉を同じ大きさに丸め、熱湯に入れ、浮いてきたところでお玉ですくい、氷水で冷やします。

よくやりがちな失敗として、丸めたものから熱湯にぽんぽんと入れていく方がいますが、仕上がりにばらつきが出てしまうので、止めておきましょう。また、ゆであがった白玉を冷やす水は、ぬるくなったら交換しましょう。ちょっとした一手間が白玉をさらにおいしくします。

美味しい白玉が食べれるお店を紹介

新しいお店も色々あって、そちらもまた魅力的ですが、老舗の白玉の味もまた格別です。例えば、東京であれば、水天宮前の「初音茶屋」は江戸時代末期から続くお店と聞きます。

水天宮にお参りに行った帰りに、シンプルな氷白玉も美味しいですし、他の甘味を注文してトッピングで白玉を追加注文するのも良いかと思います。また、大阪であれば、難波の「夫婦善哉」の白玉ぜんざい。大阪出身の織田作之助の小説でも有名な1人前なのに2つのお椀で出てきます。少し奥まったところにあるので分かりにくいかもしれませんが、これを食べれば夫婦円満、恋愛成就すると言われています。他にも、それぞれの地域で、美味しい白玉屋さんがあります。ご自分でも作りつつ、時にはお店の白玉も楽しまれてみてはいかがでしょうか。

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