「きんつば」の名前の由来
たくさんのあんこの周りに薄い衣がついた「きんつば」は、あんこ好きにはたまらない定番の和菓子の一つです。形は四角のものが多いですが、地域によっては丸い形もあります。ところで、「きんつば」は漢字では「金鍔」と書きますが、この印象深い名前の由来は、日本刀の「鍔(つば)」に似ていることから来ていると言われています。日本刀の鍔は実に様々な種類があり、それだけで独立した美術工芸品として高く評価されています。そう言われて改めて「きんつば」を眺めてみると、確かに日本刀の鍔に似ている気がしてくるのではないでしょうか。
「きんつば」の歴史
「きんつば」は元々大阪や京都で始まったお菓子で、名前は「きんつば」ではなく、「銀鍔(ぎんつば)」と言われていました。そして、あんこの周りの衣には米粉が使われていました。しかし、1600年代後半に江戸に製法が伝わると、銀よりも金のほうが縁起が良いということで、「きんつば」に名前が変わったと言われています。また、それに合わせて衣の材料も米粉ではなく、小麦に変えられました。ところで、現在よく見かける「角きんつば」は、明治時代に考案されたもので、元々は日本刀の鍔の形のように丸い形をしたものが一般的だったようです。
「きんつば」の簡単レシピ
和菓子を作ると言うと、ハードルが高そうなイメージがありますが、「きんつば」を作るのはそれほど難しくはありません。まずは鍋の中に水と粉寒天を入れ火にかけます。沸騰した状態で2分ほどかけると、しっかり寒天を溶かすことができます。次に粒あんを入れます。再沸騰したところで火を止めましょう。
型にラップを敷いて流し込み、冷やして固めます。これであんこの部分は完成です。衣は、ボウルの中で白玉粉を水で溶き、砂糖と塩と薄力粉を加えて混ぜます。固まったあんこのまわりに付け、焦げないように気を付け乍らフライパンで30秒ほど焼いたら出来上がりです。
「きんつば」の名店といえば?
「きんつば」の名店の一つに、神戸市に本店を構える「本髙砂屋」があります。「角きんつば」を考案したお店として知られています。
また、1818年創業の老舗和菓子店の榮太樓總本鋪も有名です。こちらのお店では円い形をした江戸時代から続く本来のきんつばである「名代金鍔」を製造販売しています。ごま油の香ばしい香りが人気です。さらに、金沢に本店を構える「中田屋」のきんつばも人気です。見た目の美しさには定評があり、素材も北海道産の極上大納言小豆を使用するなど拘りがあります。全国の名店の「きんつば」を食べ比べてみると楽しいでしょう。
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