なぜ「くりきんとん」はなぜ正月のおせちに入っている?
お正月のおめでたい席のおせち料理に必ず入っているくりきんとん。
2つの意味があるようです。
まずは「勝負運」。
昔から日本各地どこにでも豊かに実る栗は「勝ち栗」といって縁起物とされてきました。
勝負運に勝つことを願ってゲンを担いだようです。
もう一つは「金運」。
きんとんは漢字で「金団」と書くことからもわかるように「金の団子」「金の布団」を意味し、そこからイメージして小判や金塊などと結びつけ、金運や財運を強くして商売繁盛を願う縁起物として、おせちの食材として欠かせないものとなったようです。
くりきんとんの美しい黄金色は栗そのものの色ではなくクチナシの実を使ってこのような色になります。
くりきんとん発祥の地はどこ?
今や日本のどこでも食べることのできるくりきんとんですが、発祥の地は岐阜県東濃地方の中津川市・恵那市とされています。
岐阜県のJR中津川駅前ロータリーには、「栗きんとん発祥の地」という碑がありますから間違いありません。
岐阜県東濃地方の山間部では昔から恵那栗がたくさん採れました。
この栗を日持ちがするように加工したのがくりきんとんの始まりと言われています。
この地方で作られたくりきんとんは栗を裏ごしして栗餡状にしたものを丸めたもので、室町時代の文献に出てくる「栗金団」はこのタイプだと思われます。
栗に甘い餡を絡めたタイプのくりきんとんが出はじめたのは明治時代に入ってからだとされています。
つまり、くりきんとんには2つのタイプが日本には存在することになります。
餡で絡めたくりきんとんの材料は何?
おせちに入っているくりきんとんの餡はほとんどがサツマイモで出来ています。
安納芋、紫いも、金時芋、紅あずま、紅こがね、紅いもなどなど、サツマイモにもほくほくする食感のモノやねっとりした食感のモノがあるように、和菓子屋のオリジナリティが出るように芋の種類を変えてくりきんとんの餡の食感が楽しめる工夫がされています。
お店によってはサツマイモでなくインゲン豆で餡をつくったりする事もあります。
さらに、栗の方に注目すると、餡に絡められた栗がクチナシの実で黄色く色付いているものが一般的なくりきんとんのイメージですが、中には渋皮を剥かないままの栗を使って、「渋皮煮入りくりきんとん」も出回っています。
黄金色とはまた違う、茶色いツヤ感が美しい栗と黄色いサツマイモの餡の色のコントラストが美しく、一度は食べてみたくなります。
くりきんとん発祥の地のくりきんとん有名店
栗きんとん発祥の地 岐阜県恵那市の和菓子店「恵那川上屋」のくりきんとんは人気の高い商品です。
栗を餡で絡めたタイプではなく、栗と少しの砂糖を鍋で炊いて、一つ一つ手で茶巾絞りの形に絞った栗餡タイプの和菓子。
こだわりは、恵那山麓の恵那・中津川地域で採れる「恵那栗」の中でも、「超低樹高栽培法」によって良質で大きな粒の栗を栽培することに契約農家が成功し、「超特選栗」との格付けがされたものだけが全て「恵那川上屋」に納品され、和菓子に加工されている点です。
栗の品種や収穫期により炊く時の砂糖の量、炊き時間を調節して作るという菓子職人の技がひかる逸品。
ネットの評判も良く、オンラインで購入が可能となっています。
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